ハンドルを曲げる(3/3)完結編
grunge インターセクトバー のバックスイープ角を10〜15° にするべく 、
準備を重ねてきたが、あえなく失敗となった。
しかし、これは敗北を意味するのか? 否!始まりなのだ!
この成功こそ、全てへの最大の慰めとなる。
アロハよ立て! 悲しみを怒りに変えて、立てよ!アロハよ!
って何書いてんだ、僕は。
いや、もちろん頑張るよ。ここまでやって止められないもん。
火力の確保として、屋内を作業環境に
前回、炎が風に流されたことで必要な火力が得られないことが判明した。
てな訳で、屋内ですることになったのだが、
火事にならないように気をつけることはもちろん、
問題なのは、万力の固定方法だ。
前回使用した固定台では、壁に押し付けようが、体重かけて踏みつけようが、
おおよそ固定しているとは言い難い状態だった。
単純な荷重だけではハンドルを曲げる力には耐えられなかった。
屋内には作業用テーブルがある。
テーブルサイズは、1400 × 700mm。
テーブルは部屋の隅に設置しているため、部屋の壁にテーブルを押し付ければ、
十分な圧をかけられるはず。
とはいえ、キャスター付きの事務用の会議テーブルなので、重量もさほどではない。
なにより、万力固定のために穴を開けるってことに躊躇があった。
しかし、このような現状を打破するには、もう迷いはすまい。
穴開けることにする。
あーあ、開けちゃった。
つっても、全くの無計画ってワケじゃない。
このテーブルごと壁に押し当てるって作戦で行けるはず!
あとは、懸念であった火力を確実に確保のため、
プロパン含有量の高い 新富士バーナー RZ-860 も用意した。
さて、万力も装着し、準備完了。覚悟も完了。再びハンドル曲げ挑む。
再び、ハンドルを炙る!
新投入の新富士バーナー RZ-860 でハンドルを炙る。
早々1分で青く色づく。スピードが全然違う〜。
期待できるぞ、コレは。
いけるか? いけるのか?
で、炙ること5分。炎が当たっているところが、仄かに赤色づいたような気がする。
だが、炎を外すと、赤くはなっていない。
確証が持てなかったので、もう3分ほど炙る。
これ以上赤くなる気がしなかったので、補助のパイプを差し込んで
全身全霊で力を込めてみる。
曲がった!!! 曲がったぞ、コイツ!!!
明らかに曲がった感触がある。
万力のクランプがずれることもなく、
万力の台は部屋の壁で支えているおかげで、力が逃げる感触もない。
結構な力を入れても、いきなりグニャッと曲がるワケでなないので、
なんとなく作業に対する安心感が芽生える。
曲げる際の力加減もなんとなく分かったので、
欲しい角度になるまで、炙っては曲げ、炙って曲げを繰り返す。
片側が望む角度に達したところで
パイプを万力から外さず、反対側に着手する。
角度測らず、目分量で大丈夫?って思われるかもしれないが、
そもそも正確な数値で曲げるなんて、方法あるの?
せいぜい差し込むパイプの位置を一定にし、パイプの移動量で測るしかできない。
こりゃもう職人技やん!と勝手に思い込んでいた。
しかし、本物の職人たちはちゃんと測りながら作業しているのだ。
こういった作業を生業としてる動画を見つける機会があり、知ってしまった。
本物の職人たちは、こうだ。
欲しい形状を針金で作成し、パイプにあてながら作業していた。
ほかにも、型紙を段ボールで作るって方法もおこなっていた。
いやね、作業終わってから見つけても、今更どうにもね。
ヤる前にググれって話なんだけど。そもそもこんな方法を思いつかなかったことが口惜しい。
世間は広いぜ、ちきしょうめ。(涙)
話は逸れてしまったが、
目分量のまま(笑)、左右が均等になったと感じたところで、作業を一旦中断。
ハンドルにこもった熱が冷めるのを1時間ほど待ってから、計測に向かう。
この時、絶対に急速冷却してはいけない。
ここに水でもかけたりしようものなら、鉄の強度は確実に落ちる。
最悪、割れるって事態も起こりうる。
ほっとくのが一番。
計測の結果は如何に
まだ熱さの残る鉄を手袋装着して測ってみる。
結果はこうだ!
計測の結果、キャプションにも記したように、左の高さが 10mm 足りない。
ん〜〜、もうちょいか。
イけると思って、ハンドル内の砂、捨てちゃったんだよなぁ。
アホです、まぎれもなく。
気を取り直して、
実際の角度を計算してみる。
左右で曲がり始めの位置はほぼ同じなので、
ハンドルを床に置き、接地点からハンドル端の垂直下を底辺として測る。
白い A4 の紙を用意し、ハンドルと床の隙間に挟めむと底辺は測りやすい。
ハンドル右の底辺 228 mm、高さが 60 mm。
ハンドル左の底辺は 232 mm、高さが 50 mm。
この値をもって、計測サイトへ。
導き出されたバックスイープの値は、
右が、約 14.74°。左が、約 12.16°。
右に同じになるよう、左をもう少し曲げることに。
もちろん、砂は入れ直し。とほほ。
ここでちょっと実験。
パーナーの燃料を、RZ-860 から プロパン含有量の低い RZ-850 に変えてみる。
前回、風に煽られ燃焼温度が上がらなかったが、無風の屋内でなら使えのるか知りたくなった。
結果は、問題なく炙った箇所は、ちゃんと赤くなった。
RZ-860、無駄になったけど、ま、いいか。
で、左を曲げ直した結果はこちら。
きました!きましたよ、
高さ 59 mm、底辺も 229 mm に。
これでバックスイープは、約 14.44°。右の約 14.74° と比べて差は、0.3°。
完璧に同じ角度って訳ではないが、流石に1mm 分の高さを曲げるってのは
難しそうなので、諦める。
ハンドルの一部が凹んじゃっってるし。
もうこれで OK じゃね。
あとは、装着して違和感を感じるかどうかだ。
装着してみた感想
完全に熱が冷めてから、ウレタン塗装を施しKONA HOSS Dee-lux に装着。
塗装に関しては、ちょっと色々ありましたが、その辺の事情は後日また、ということで。
で、乗った感想は、
もうサイコー! すこぶる調子が良いっ!
オリジナルのバックスイープが3° から約 15° に変わったことで、
ハンドルのエンド位置は 50mm ほど後退したことになる。
サドル位置は全く変更していないから、若干、乗車姿勢は起き気味になったのだろうけど、
そんなこと感じさせない位、体に馴染む。
なにより、以前は開き気味だった脇も締めることができたので、
ハンドルに力を入れやすい。
一番気にしていたのは、
バックスイープの左右の差 0.3° 。
これに違和感を感じるかが懸案だったのだが、
なんの違和感を感じることはなく、余計な心配に終わった。
バックスイープが 15° なんて、
90年代初頭に流行した MTB ハンドル、bullmoose bar と同じ角度といえば聞こえはいいが、
ママチャリと同じのカジュアルポジション。
ガチの競技志向の方からすれば、「はなっからママチャリにしとけ!」って言われそう。
だが、気にしない。(といいながら、気にしてる?)
そもそも、どんな道でも、どんな距離でも、そつなく、お気楽に走るツーリングバイクを目指したのだから。
ちょっと重いのが難点ではあるが。
夏も終わりを迎え、
こうしてほぼほぼバイクは仕上がった。
あとはツーリングに出かけるだけだ。
前回、今回も含めた製作費(税込)
- Yesoair リードバイス・横万力 YS-006 —–—–—- ¥6,399
- 新富士バーナー RZ-820S (トーチ付き) —––—- ¥1,827(つっても、今買ったワケじゃないけどね)
- 新富士バーナー RZ-860 (ボンベ単体)—––––—- ¥560
- 川砂 10kg —––—––—––—––—––—––—––—-––—- ¥158(こんなにもいらんかったけどね)
- ステンレスパイプ 30φ× 600mm ––—––—-––—- ¥600 位?(家にあった)
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