スプロケットの錆び取り

忘れていたスプロケットが見つかる。

やることがないわけじゃないんだけど、
どうしても気になって9速が主流だった時代の高グレードパーツないものかと、相場を調べてビックリした。
高いんだよ、マジで。

最近の自転車パーツの高騰は、なにも新品だけじゃない。
ヤフオク、メルカリといった中古パーツも価格が高騰している気がする。

景気が悪いって言ってばそれだけなんだけど、
以前の記事にも書いたように、新製品の流通が悪い状況
トレンドじゃない中古パーツにまで影響を及ぼしている気がする。

ロード、MTB 問わず、12 速コンポーネントがトレンドになっている現在、
12 速が手に入りにくいのは仕方ないとしても、
11 速や 10 速のスプロケットが、新品の8〜9割ぐらい値段なんてのは当たり前。
9速の高グレードパーツに至っては、現行シマノの ALVIO や SOLA グレードの新品より高く、
もう発売当時の新品価格かって思うような値段ばかり。(2022年 男爵調べ)

そんな時、嫁が昔乗っていた GIANT ROOK 5000 のリアホイールがあることを思い出した。
ついているのスプロケットは9速のはず。

こいつでもリペアしようか、と思った次第。


サビび取りにサンポールって、ダメでしょ。

倉庫から出したは良いが、もうね、サビだらけ。(写真がない理由は最後に)

こんなスプロケットのように小さな隙間が多いものは、
「CRC 5-56 ぶっかけて金属ブラシで擦る」なんてのは非現実的。

そうなれば、すぐに思いつくのが「サンポール」なんだが、
私はお勧めしない。

具体的になにがダメかってーと

  • そもそも商品の注意事項に書いてあるwwww
  • 金属の種類によっては、腐食や変色、変質する
  • 脆くなる。薄い鉄板などだと穴が開く
  • メッキのしてあるものだと、メッキが曇ったり傷んで剥がれたりする
  • phが高いので、漬け置き時間には注意が必要。(ほったらかしは絶対だめ)
  • サビ取り後は、防錆処置が必須。処理が不十分だと、かえってサビやすくなる

しかも取り扱いが面倒。

  • 刺激臭がキツい。
  • 皮膚につくとなかなか匂いが落ちない。痛くなる。ゴム手袋は必須。
  • 服についたら色落ちする
  • 敏感な人だと、口ん中に揮発臭の味(変な言い方?)を感じる。
    ボクがそう。

効果も確実で、商品自体が安いのは認めるが、
そもそも、尿素を溶かす洗剤としての役割のため、純粋な希塩酸じゃないし、
希塩酸という時点で、口に入ったらと思うと、ゾッとする。

じゃあ、専用のサビび取り剤とかどうなよ。

こいつもこいつでお勧めできない。
どいつも値段が高いわりに、効果がイマイチな商品が多い。
サビと反応したとたん、とんでもない匂いが発生するは一緒。
なのに防錆処理も完全ではないし。
どこの製品とは言わんが、ボクは二度と使わん!

そこで、ボクがおすすめしたいのが、クエン酸だ。


クエン酸、最強!

クエン酸

クエン酸の良いところは、安全性が高いこと。

食品添加物としても使われるクエン酸。(純度 99.5%以上、PL保険加入済のものに限るけど)
食用として流用のみならず、洗剤、消臭剤としても使えるのが素晴らしい。

我が家では、洗面所の鏡や電気ポッドなのに付着したのカルキ落としに、
水に溶かして便器の汚れ落としにと多方面で活用している。

サビ落としで言えば、化学反応時にも匂いがほとんどしない。
それどころか、サンポールのように、体についた時に匂いが取れないなんてこともなく、
平気で素手で作業ができる。もちろん触れるし。傷口にはしみるけどね。

体に安全といえば、サビ落としに「酢を使う」ってのもありだが、
サンポールと同様、これはこれで液体自体に独特の臭いがある。
これを美味そうと思うかどうかは、人それぞれ。

その点、クエン酸自体には臭いがないから、
どこでも作業ができるってのも魅力的。こぼれても拭けば良いだけだし。
それでも、サビび取り中は臭いでるけど。

取り扱いがラクってのがいいよね。


クエン酸でサビ落とし

早速作業を開始。

  1. プラスチックの洗面器にお湯を入れ、クエン酸を大さじ1〜2杯いれて溶かす。
    たくさん入れたからといって、反応時間が早くなるわけではないので適量で。
  2. サビを落としたいモノ(この場合はスプロケットだが)を洗面器に入れる前に、
    金属ブラシで軽くサビを落としておく。
  3. 洗面器に投入後、待つこと2〜6時間
    サンポールに比べ、ph値低いから、時間もアバウトで。
  4. 洗面器のクエン酸を捨て、洗面器ごとスプロケットを中性洗剤でしっかり洗う。
    クエン酸はどこでも捨てられるし、洗面器ごと洗えば後片付けもラク!
  5. 必ず、CRC 5-56 やオイルスプレーで後処理をする。(しないと、またサビる)

あれ、もう終わったwww

クエン酸も基本酸だから、サンポールと同様、サビ取り後の処理は必須。
しかし、薬剤自体の取り扱いは比較にならないほどクエン酸の方がラクだし安全。だから安心。

クエン酸 400g 入りなら、大さじ1杯 15g で 洗面器約 25 杯分。
洗面器の容量を3リットルとすれば75リットル。
サンポール なら、10 倍に薄めても 10 リットル。1回 100cc として 50 回分。
コスパを考えても、クエン酸の方が安いんだよなぁ。(2022年 男爵調べ)


重曹で後処理

重曹

前章の作業説明を 4. まで終えた時に、スプロケットのサビ自体は全て落ちたのだが、
裏側の黒ずみだけが残ってしまった。

メラニンスポンジで擦ると簡単落ちたのだが、
分解できないスプロケでは奥まで擦ることはできない。

そこで、重曹の出番

「重曹」。
正式名称「重炭酸ソーダ」、化学名は「炭酸水素ナトリウム」
ベーキングパウダーにも使われる、人体に無害な弱アルカリ性の物質。

洗濯用洗剤の補助として使ったり、クレンザーがわりに使ったり、灰皿の洗浄(!)に使ったり
こいつも我が家では重宝されている。灰皿はボクだけかwww

今回は、クエン酸を中和させるために使用。
先の章の 5. にあたる防塵処理の代わり、というわけだ。

洗面器にお湯を入れ、重曹を大さじ2杯。
せっかくなので、スプロケット一緒に、灰皿も一緒に入れる。なぜに?

重曹
灰皿の方がヒドイな。俺何してたんだっけ?

ほったらかしにすること、約1時間。
スプロケットと灰皿を取り出す。
こっちはクエン酸と違い、腐食の恐れがないので、時間はテキトー。

結果、灰皿だけ綺麗になったwww

重曹の効果
スプロケの黒ずみは取れなかったが、酸使用後の防サビ対策だと思えばいいか。
灰皿はね、もう擦ることもなく水洗いでこの状態。いや、すごくない。

これ以上は、無理だな。
この黒ずみ、サビでもないし、脂でもない、原因素材がわからん。もういいや。

で、本来写真はもっと掲載できるはずだった。
サビたスプロケも、サンポールも、作業中の写真も撮った。
だがメモリーカードが入っていないのでは、残ってるはずもない。とほほ。
効果をお見せできなかったのは、ほんとうに申し訳ない。

また機会あれば、サビ取りを記事にしようともっているが、
その時は、超音波洗浄機、買う時か?
買うか、マジで。

今なら自転車の中古パーツよりは安いしね。www


今回の製作費(てか、使ってないのもあるけど書いておく。価格は税込)