ドロッパーシートポストを修理
これで2回目だから、慣れっこさ!
もはや存在自体が当たり前、失うことなんか想像もしたくない位、
MTBの必須ど定番のパーツが壊れた。商品名は Brand-X Ascend II。
レバーを押しても、サドルがピクリとも動かない。
飛べない豚は只の豚って格言(!)があるが、
動かないドロッパーシートポストなんて、重りを満載したシートポスト。
えぇ〜い、この豚め!
キサマなんざ豚以下だっ!ってことで、さっさと治すに限る。
内部カートリッジのバルブと外部ルーティングを繋いでいるナイロンコードの切断が原因。
故障箇所は一目瞭然。なんたってもうこれで2回目だもの(涙)
今でこそ Wiggle でリペアパーツが販売されているが、
初めて壊れた時は、リペアパーツどころか、メーカーサイトも存在せず、
内部図面や説明書も無い中、布紐(そう!布なのだ!)の代わりになる代用品を求め彷徨った。
今でこの 16 番のテグスを使っているが、もう少し太い20番ぐらいがいいだろう。
あの苦労の賜といえばいいのか、手順も手筈も心得ているから、慌てたりはない。
部品名称が必要だなんて…
本来なら、分解を追って説明するだけなのだが、説明しようにも部品箇所の名称が分からない。
この Brand-Xってメーカー、ググってもメーカーサイトはないし、説明書も取り付け方だけで、サービスマニュアルがない。
固有名詞がないのに、どーやって説明せいゆうねんっっ !!
そっくりな商品をいくつか見つけたが、やはりどこも分解説明図はない。リペアパーツ買ったら付いてくるのかな。そのためにわざわざ買うのもなぁ。
つーことで、各部品の固有名詞がないと、話にならんで、勝手に名付けることにしたwww。
- シートにくっついてるヤツを左から
- メインピストン(飛び出てる棒)
- エアバルブ (ピストンに刺さっている黒い円筒のゴム。多分こんな機能なんだろう)
- チャンバー (白い輪っかや金属が埋め込まれている部分)
- ケーブルガイド(操作側のケーブルと内部ケーブルが収まるところ。象さんみたいなカタチ。)
- トレイの内 上段
- ボトムケース (底が塞がっている短い円筒の方。底が銀のヤツ)
- アウターケース(シート高の目盛が記載されている長い筒)
- トレイの内 下段 左上から
- トリガー(黒い円筒になんか金属の腕みたいなもんが付いているヤツ)
- トリガーロックピン(青いボルト固定剤がついてるヤツ。ネジだけど、ピンなんです!)
- インナーケーブル
(テグスのことね www。使ったのは 16 号。もっと太くていいかも) - プルロッドピン
(取付説明書に Pull Rod Cable って書いてあるけど、ケーブル?どこが?www) - アクチュエーター
(亜鉛合金のヘンテコな部品。これも取付説明書にそう書いてあったwww) - インナーケーブルガイドピン(すっげー、重要なピン)
- アウターケースとケーブルガイドを固定するボルト(こいつは名前はいらんな)
- 2mm ヘキサレンチ
- 3mm ヘキサレンチ
- 8mm スパナ
ふぅ、コレでサッパリ!これをやらなきゃ()内の説明になるとこ。wwww
写真に番号振れなんて云わないでよ。タグ書いたり、フォトショいぢんの面倒だもん。いいじゃん!これで!!
まずは、分解から。
まずは、操作レバーに繋がる外部ケーブルをアクチュエーターから外し、円筒形のがアクチュエーターにはまっているプルロッドピンを取り出す。
インナーケーブルには以前装着したテグスがちぎれた状態で繋がっている。こいつを2mm と3mm のヘキサレンチで緩め、取り除く。
外部ケーブル、インナーケーブルを本体から取り除くと、溝の中にボルトの頭が見える。まずこのボルトを外す。
この時、内部を通るインナーケーブルのガイド役をする「インナーケーブルガイドピン」が落ちてくることがある。気をつけるべし!
次に、本体のアウターを分解する。
シートポスト本体は、ボトムケースとアウターケースの2分割に別れる。ボトムケースの手で持っているところをスパナで挟み廻せば、簡単に外れる。ボクは手で外れちゃったんで www
ボトムケースをはずすと、トリガーとメインピストンが現れる。
トリガーにはテグスがついたままとなっているので、六角ナットで緩め、ケーブルを外す。でないとアウターケースを外すことはできない、絶対。
今回はインナーケーブルが切れているから、ケーブルの通り方を見る意味でも、アウターケースをそのまま抜いても大丈夫。
でもボクはケーブル外すけど、ね。
アウターケースを少し抜いたところで、トリガーロックピンが顔を出す。インナーケーブルが繋がっていたらここまで引き出せないので、インナーケーブルは取り外す。
トリガーロックピンを外せば、トリガーとメインピストンが分離でき、アウターケースが外れるようになる。
トリガーが外れれば、あとはシートとアウターケースそれぞれ握り、アウターパイプを引けば、スポっと抜ける。
力一杯引っこ抜いちゃ、ダメヨ〜ン、ダメダメ。内部パーツが飛び散るから、慌てず、急がず、ゆ〜っくりと。
これで、分解は完了!
組立行程はこうだ!
組み立ての流れを順を追って書くと
- インナーケーブルを先にアウターパイプに通し、ケーブルガイドに出しておく
- トリガーにインナーケーブルを取り付ける
- トリガーをメインピストンに装着し、トリガーロックピンで固定する
- インナーケーブルをガイド部分に引っかけ、ケーブルが咬まないようにアウターケースをはめる
- インナーケーブルガイドピンを装着、
ガイドピンの上からインナーケーブルを通し、ケーブルガイドから出す。 - アウターケースとケーブルガイドをはめる
- インナーケーブルにプルロッドピンを取り付ける
- アクチュエーターにプルロッドピンをはめ込み、
インナーケーブルを調製して、不要な部分をカット - ボトムケースを取り付け、シートポストを自転車に装着
- アウターケーブルを取り付け、カバーをしたら完成
とまあ、結構な文章量。だけど、ヤってみるとそんなに難しいことないし。
重要なのは(6)。注意すれば大丈夫。
まずは、サクッと行程(1)〜(5)まで
行程(1)
テグスの長さを大体 6〜70 mm 位にカットし、先にインナーケーブルをアウターケースに通しておく。
通したインナーケーブルをトリガーに装着するのだが、トリガーにある六角ナットを緩めれば、インナーケーブルを通す穴が見えてくる。ここに通す。
ケーブル先端のはみ出し量は 1〜200 mm テキトーに長めに残しておく。(この余分な長さが後で重要になる)
だが、配線方向は要注意。トリガーにはインナーケーブルを通すガイドがあるので、テグスの長い方がガイド側になるようにする。
インナーケーブルをトリガーに取り付けたら、メインピストンに差し込み、トリガーロックピンで固定する。
この時点で、行程(2)(3)は、完了となる。
トリガーが固定できたらチャンバーにインナーケーブルが挟まれないようガイドに通し、アウターケースに収める。これで行程(4)。
行程(1)〜(4)までの作業に間違いなければ、下の写真のようになっているはず。
この状態で、行程(5)は完了。ボトムケースは装着しない。
インナーケーブルガイドピンを装着
さて、ここからはちょっと注意が必要。
アウターケースに通したインナーケーブルだが、インナーケーブルが内部で捻れたりしないように、下写真の○で記した箇所とトリガーのケーブルガイドが最短距離になるように、トリガーの位置を調製しておく。
調製できたらインナーケーブルを引っ張り、アウターケーブルと繋がるケーブルガイドには1ッ箇所穴が空いているので、そこに通す。(注:すでにアクチュエーターが装着されているのは、後から写真撮ったから。)
インナーケーブルガイドピンを下写真のようにインナーケーブルの上から埋め込む。
ケーブルやピンが外れないよう、ゆっくりとアウターケースをケーブルガイドに差し込み、ケーブルガイドをボルトで固定すれば、行程(5)(6)(7)が完了となる。ふぅ。
ケーブル類の調製
ここまで来たらまさに八合目、行程(8)へ。
ケーブルガイドから伸びてるインナーケーブルにプルドロップピンを取り付ける。
プルドロップピンにはインナーケーブルを通す穴が空いた本体と、それを固定するボルト2構造になっている。
プルドロップピン本体の穴にインナーケーブルを差し込み、2mm ヘキサレンチと3mm ヘキサレンチで閉める。この時ケーブの先端ギリギリのトコロで固定。余分な部分をカット。
あと一息!
次は行程(9)。
インナーケーブルを固定したプルドロップピンをアクチュエーターに装着し、アクチュエーターをケーブルガイドの溝の上側(シート側)へと収める。
アクチュエーターを装着したら、
トリガー側のインナーケーブルの余っている部分を引っ張り、テンションをかける。
この時、トリガーがメインピストンを押すギリギリまで、インナーケーブルを引っ張っておく。
ここがユルいと、アウターケーブル側で操作しても、シートポストが動かないってことになる。
ケーブルガイドに収まっているアクチュエーターを下に引いた時、
トリガーがメインピストンをしっかり押していることを確認したら、
余ったインナーケーブルを10mm位残してカット。
ボトムケースを装着し、自転車に装着したら完成目前!
完成!
アウターケーブルのタイコを、ケーブルガイドに収まっているアクチュエーターに差し込む。
シートポスト操作レバーを押して正確に動作すれば、ケーブルガイドのカバーを付けて完成だ!
お疲れっス!!
今後のことを考えると….
そもそもの話をすれば、
ドロッパーシートポストを UNAUTHORIZED 33 rpm のような古いクロモリ MTB に装着したくとも、
適合した商品を探すのも一苦労。
- シートポストの径が、27.2 mm や 28.6 mm であること。
- ケーブル内装式は使えない。ケーブルガイドが外にはみ出しているタイプであること。
このため、巷でよく見るドロッパーシートポストよりも、
構造がタイトになるから、故障が発生しやすい。
インナーケーブルの材料には、前回同様 16 号のテグスを使ったが、
こうして切れたことを考えると、もっと太い 20 号テグスにするか、
0.3 〜 0.5 mm 位のステンレスワイヤーの方がいいと思っている。
しかし、600 mm 位しか必要ないのに、細いステンレスワイヤーって
100 m 巻とか、200 m 巻でしか売っていない。しかも値段は、驚異の2万超え!
無理無理無理無理無理無理〜〜〜〜っ
なにせ、想像以上にテンションがかかる場所なのに、オリジナルは布紐(!)
だから、簡単にちぎれるし、毎度毎度リペアパーツを買うってのは、経済的じゃない。
細いステンレスワイヤー、1m 単位で売ってくれるとこ探すか….。
今回の製作費(税込 ? )
- テグス 16号 直径 0.660mm ——— ¥1,150 (と、パッケージに書いてある。いつの時代のレートだ?ww)
20 号なら、直径 0.75 mm
今回使用した工具
- 3 mm ヘキサレンチ ——————————————- インナーケーブルの固定
- 2 mm ヘキサレンチ ——————————————- インナーケーブルの固定
- 8mm スパナ —————————————————- インナーケーブルの固定
- ハサミ ————————————————————- ないとテグスが切れない。絶対
- セラミックグリス ————————————— チャンバーやケーブルの潤滑に
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