「加水分解」でベタベタする Ergonグリップを直せるのか? 

前回記事に続き、CENTURION BACKFIRE PRO 400.27 をオーバーホールするために、
部品全部外していこうと思ったのだが、
ステムからハンドルバーごと外した際に、
装着されている Ergon エルゴン GA3 のグリップがベタベタするのが、どうしても気になった。

このベタベタ。
水分や空気中の湿気によって発生する分解反応のこと。
俗に言う「加水分解」というやつだ。

この高級ブランドのグリップ Ergon を、
このベタベタのまま放置でいいのか?
今ここで止めなければ、いつ止める?

今、でしょ!

つ〜ことで、
ボクも加水分解を止めるコトに挑戦する。
加水分解のネタはネットに溢れているが、
実体験を伴った記事が少ないので、検証も兼ねてやってみる!


まずは、キッチンマジックリンで洗ってみる

そもそも、この Ergonのグリップ、
加水分解もそうだが、長年の使用で結構汚れも進んでいる。

加水分解を止めるのに、アルカリ電解水が効果的、って記事も散見されたので、
まずは弱アルカリ性の「キッチンマジックリン」で洗って見ようと思った。
油汚れも落ちるだろうし。

キッチンマジックリン
台所の油汚れと云えば、弱アルカリ性のコイツ。コンロ上の換気扇の油も落とすくらいなら、機械のグリスだっていけるだろうってコトで、昔っからディグリザーの代用品として愛用。なんたって、安いっ!

洗い方はこうだ。
洗面器に Ergonのグリップを置いて、キッチンマジックリンをシコタマぶっ掛けたのち、
ほったらかすコト、2時間。
あとは、ナイロンブラシでゴシゴシ擦ったあと、しっかり水洗い。

油と手垢で真っ黒だったグリップ。さすが、キッチンマジックリン。汚れが落ちる〜。これってバスマジックリンだとどうなるんだろ?って余計なことが頭をよぎる。

汚れはキレイに落ちたが、
握り具合はなんかまだベタベタする感じが残ってる。
なんともビミョ〜な結果に。

ってことで、
「次、いってみよっ!!」(by 故いかりや長介調)


今度は、IPA(イソプロピレン)も試してみる

こいつも効果アリ、といわれているイソプロピレン、俗に言うアルコールだ。

どーんっとお得な1リットル。シール剥がしから塗装の前処理まで、油脂を強力に落とすならコイツに限る。我が家の常備品。

アルコールなだけあって揮発性が高いから、ただぶっ掛けてもしょうがない。

全体的に IPA を塗った後、
揮発を防ぐために、ラップを巻き付ける。
12 時間程ほったらかす。

Ergon(エルゴン) GA3
そのまま IPA にドブ漬けするって方法もあるが、液の無駄遣いをしたくなかったため。この方法で。それにアルコール臭、キツいしね。

ラップを取って、落胆。
処置前とほとんどというか、なにも変わっていないような…。

なんでやねんっ!
と、文句の一つも云いたくなるのだが、
とにかく、表面に残ったアルコールを
タオルで「削り落とすように」強く拭き取る。
ティッシュやペーパータオルは使っちゃダメ。
部材に紙のカスが張り付いて、目も当てられないことになる。

結果は言うまでも無く、どないやねんっ!って感じ。
処理前よりは、べたつかなくなったかな〜って程度。
あくまで、ボクの所感だけどね。

イソプロピレンを使う方法は、ネットで見る限り、
塗装面の加水分解に用いられているケースがほとんど。
この方法では塗装面ごと剥がしていることを考えると、
すべてがウレタンゴムの Ergon グリップでは
アルコールによる効果が得られないってコト???

この時点で、加水分解の原理を改めて理解する必要があるのかなと思ったが、
ネットでべたつきを取る方法は書いてあっても、
その原理まではほとんど書かれていない。
例え書いてあっても化学が苦手なボクには、
論文や化学反応式見ても、
全くといってイイほど、サッパリ分からん!!

何とか解決策探るべく足掻いてみたところ、
ウレタンゴムの別名「ポリウレタン」で、こんな記事を見つけた。

このポリウレタン(PU)の劣化は、経時劣化と呼ばれるもので、生物における老化などとともに避けることができない特性で、製品によってある程度の差はあるが、通常2年から3年ほどが劣化の目安となっている。

ウレタンゴムは生成の段階から反応が始まるらしく、
厳密云うと加水分解を止めるというより、分解したところは取り除き、
進行を遅らせる処置をするしか防ぐ手立てはないそうな。
言わば、ウレタンゴムの老化現象。

こいつがジジイかどうかは知る由もないが、
物質そのものの劣化であり、単に表面だけが劣化したのでなく、
物質内部まで進行しているって考えるのが筋だろう。

あ、アカン。
詰んでも〜とるやんっ…。


最後に、強アルカリ電解水を試してみたが …

加水分解は、高温多湿の環境下では劣化が早まる。
大切にしたいなら乾燥したトコに保管ってのもあるのだろうが、
如何せん、こいつはグリップ。
大切に保管するようなシロモンじゃない。

一分の望みをかけて、
強アルカリ電解水をスプレーして数分待つことに。

p.H 3,2 強アルカリ電解水
消臭や除菌で注目の集まる p.H 3,2 強アルカリ電解水。衣服や壁、パソコンモニターにかけると煙草の臭いやヤニが速攻で落ちる。ボクのような煙草吸うヤツには必須のアイテム。

表面が「ヌルっ」としたところ、
先ほど同様、ウエスで「削り落とすように」強く拭き取る。

ん〜っ、変わらんな。
マジックリンで効果無かったんだし、コイツが上手くいくハズがないと想像はしてたが、
改めて事実突きつけられると、やっぱヘコむわぁ。

後出来ることといえば、せいぜいアーマオールを塗るか、シリコンスプレーをかけるかして、
ベタベタな感触を一時的に無くすぐらい。
といっても、これらはかけ過ぎると滑っちゃうので、
グリップの存在意義すら消滅させてしまう。

ハイ、諦めましたっ!
延命措置として、このままシリコンスプレーかけて、
終了〜っ!

Ergon(エルゴン) GA3
洗いまくり、漬けまくりで、見てくれはキレイになった Ergon エルゴン GA3。またベタベタ感が表れたら、シリコンスプレーかけるしかない。解決できなくってごめんね、A さん。

結論として、
グリップがベタベタしたら、もう交換。
防ぐ手立てなしっ!
これは、ドロップハンドルのブラケットにも言える。

このベタベタな感触を
「吸い付くようだぜ!最高の握り具合だ!」と、
思えなくもないし、思い込めばいいんだ。

いや、思えんな。
やっぱ、不快だもん。wwwwww

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