振れ取り台を使わず、ホイールの振れ取りに挑戦(1/3)センター出し編

などと書いているが、
こんなこと言えるようになったのは最近のこと。

自転車の面白さにハマり始めの頃、
ショップの店員がリムの振れ取りに、2mm以下だ、1mm以下だと、追い込んでいく者の姿は
気骨ある職人であり、自転車を全て理解する賢者として、私の目に映った。

そんな憧れを抱きながら、理由もわからないまま真似をしたことがある。
ニップルをどれだけ回せば、どこが動き、他にどのように影響するか、
まったく理解できていなかったのに、だ。
やればやるほど、原因を修正するどころか、リムは歪みに歪みまくり、
もうどうしようもない状況に、ショップにホイールを持ち込む羽目に(涙)。
まったく情けないこと、この上ない。

いつかはホイールの振れ取りができるようになりたいと思いつつも、
黒歴史であり、トラウマでもあるホイールの振れ取りついて
避けてきた、ってのが本音だ。

なのに、なぜ書くのか。
自分の中でなんとなく整理がついたので言語化したくなった。
とにかく書いてみる。


ホイールが歪んでいると起こる3つの問題。

速度が上がらない。

極端に言えば、タイヤが卵型だったとしたら、
スムーズに転がらないのは容易に想像できると思う。
つまり転がり抵抗が増し、推進力が逃げていくということ。

ほんの少し程度の歪みぐらいならどうってこないでしょ、って思うかもしれないが、
高速域になるほど抵抗は顕著になるし、長距離を走るほど疲れが溜まりやすい。
ロードバイクにとってはもう致命的な欠陥になる。

ブレーキに影響する。

特にリムブレーキにいえることだが、
正しくブレーキシューがリムに当たらなければ、正しい静動力は発揮できない。
ブレーキシューがリムに当たろうものなら、間違いなく走りに抵抗が生む。
ブレーキシューから発生する不快な音は、もうそれだけでモチベーションすら下げてしまう。

ディスクブレーキならば、多少リムが振れていても音が出ないため見過ごされがちだが、
ハードブレーキを多用するほど、リムの歪みは進行する。
制動中にスポークの破断といった、ホイールが壊れる事態も十分ありうる。

ホイール自体が壊れる。

円は強度が高い。
そして真円に近ければ近いほど、周りの構成材にかかる圧力は均一になり、強度は増していく。
逆に歪みがあると、外からの力に対して、歪みのある部分から潰れる。

パイプにしかり、深海潜水艇にしかり、強度が必要であるほど、真円を保持する構造になっている。
ホイールもまた然り、だ。

ジャンプなどでホイールに強い力が掛かった際に、
スポークが破断したり、ポテチ形状になったりするのは、
そもそもホイールの歪みから始まっている、と思っている。(あくまで私感)


安易な道に、本当の救いは訪れない。

いかに振れ取りをするかを説明する前に、
ちょっと余談を。

ホイールを組む記事で書いたように、
スポークをリムにつける際、ニップルの締め込み量を一定にすることで、
タテもヨコもほぼ振れはなく、スポークテンションもほぼ均一。
経験の少ない自分でも、容易ホイールを組むことができた。

ところが、である。
既に組み上がっているホイールの場合は違う。
こう触れば、即真円になるという答えはないし、
歪んている場所を発見できても、最適な修正箇所を効率よく導き出すなんて、
経験の少ない者に容易にできることではない。

ならば、新しいホイールを組むが如く、
根本から一歩一歩地道に、確認しながら作業を進める。
経験も知識が足りない者にとって、唯一これしか救いの道はないのだ、と。

真円を望み、振れ取りの深淵に導かれし冒険者どもよ、心して聞くがよい。

初めてリムの振れ取りをするならば、
まずはホイールのセンターがちゃんと出ているかを調べることを。

この受難の道に、幸あらんことを。


センターを簡単に調べる方法

何かに取り憑かれたような
教義のような物言いはさておきwww

ホイールのセンターとは、ハブに対しリムが中心に位置していることを指す。
ホイールがどう振れているかが気になるところだが、
そもそもホイールのセンターが出ていなければ、いくら調整しても無意味である。

調べ方は、簡単。

タイヤを左右逆に装着するだけ。

「ホイールの逆さ装着」とでも呼べばいいのか、
逆に装着した際、タイヤとフレームの隙間がずれるようなら、
確実にセンターが狂っているってこと。

リムブレーキだろうが、ディスクブレーキだろうが、嵌めるだけ。
工具も不要。あら簡単。

前輪は何も考えずにできるだろうが、
後輪はチェーンを避けないといけないから、ちょっと面倒かな。
つっても、チェーンは外す必要もなし。あらあら簡単。

試しに、Cannondale R800 でやってみた。

リアホイール 逆さ装着
リアホイールの逆さ装着。スプロケットが左にある。なんか不思議。

まずは、後輪。
入れるのにちょっと手間取るけど、スプロケットも、チェーンも取り外す必要なし。

これに対し、前輪は
もっと簡単簡単。
さくっと、逆さ装着してみたところ…..

フロントホイール 逆さ装着
タイヤがフレームにあたっとるやないか〜い!

フロントホイールのセンター、ズレてた?????
フレームにまで当たってやがる!
予想外の出来事にちょっとたじろぐ。

大丈夫。
ちゃんと装着し直したら、センターに来ました!
マジ、ビビった。ふぅ。

だって僕、Shimano 用のニップルスパナ、持ってねーもん!
今のうち、買っとくか….

Shimano 用のニップルスパナは、現行2種類。
MTB ホイールに装着されている、六角形のニップルなら、Y4CK19000
RS10 などちょっと前のロードバイクホイールに装着されている、
3.75 mm 系のニップルなら、Y4EF28000


リムをセンターに持っていく調整方法

この後に及んで、告白するのは大変心苦しいが、
僕は、振れ取り台を持っていない。(涙)
では、どうやって振れ取りをするのか。

「自転車に装着したまま」行うという荒技になる。

ホントできんの? と思われるかもしれないが、
これが意外とできるんです。

調整の考え方

下の図を見てほしい。

ホイールが寄っているのならば、
寄っている方のスポークをゆるめるか、
寄っている反対側をスポークを締めるか、いずれかになる。

スポークの長さとリムの関係
スポークの長さとリムの関係。青いスポークはハブ左から、赤いスポークはハブ右から伸びている。スポークを一本のボルト
と考えると理解しやすい。

スポークを締めるか、伸ばすかの判断は、
本来ならスポークテンションゲージでスポークすべてを測り、
規定値を下回っているか、規定値を上回っているか、で
締める、緩めるを判断した方が、失敗は少ない。

だが、これも僕は持っていない(涙)
よって、緩める一択になる。

規定値がわからない中で、締めてしまうと、
のちの振れ取りの作業も困難になるし、
最悪、スポークを破断させてしまうことを招きかねない。

ホイールの強度が下がることを心配されるかもしれないが、
ちゃんとセンターを出してから、すべてのニップルを締めれば良いだけ。

つーことで、
寄っている側のスポークを、すべて緩めること前提で作業を進める。

自転車を逆さにする

ハンドルとサドルが地面に当たるように設置すれば、
ホイールはフリーの状態を保てる。
ま、メンテナンススタンドがあるなら車体へのストレスは減る。
ほんのちょっと、だけどね。

ちなみに、タイヤを外した方が正確に作業はできる。
メンドだけど。

ホイールの振れ取り
自転車を逆さにする。メンテナンススタンドあるのにwwww

開始地点をマークする

やってるうちに、大抵どのスポークから始めたのか忘れます。
なので、忘れないように、
開始地点のスポークに「洗濯バサミ」を挟む。
マスキングテープでもいい。
ただし、付箋はダメ。ホイール回すと飛んできますww

洗濯バサミでホイールにマークする
この洗濯バサミ。固定力もちょうど良く、重宝してます。

ニップルの回転量は、すべて1/4回転づつ。

ニップルの回転は、普通のネジとは逆回転になる。
左に回すと締まり、右に回すと緩む。

1/4回転で移動するリムの量は、1mm未満だと思うが、少しづつ調整する。
サッサと終わらせようと1回転以上回したり、
回す量をすべて一定にしないと、トラブルの元。
あと、途中で止めたりしない。絶対。

すべてのニップルを回し終えたら、スポークを馴染ませる。

タンジェント組(スポークが交差する組み方)は、
スポークが互いに干渉しているため、
交差している箇所をスポークを曲げないくらいの力加減でギュッと握る。

ラジアル組(スポークが交差せず、放射線状になる組み方)ならば、
ホイールを車体から外し、リム全体を押し込むように力を加える。

スポークを馴染ませる
ラジアル組ならば、スポークを馴染ませることは必要ないのかもしれん。が、一応やっておく。

ニップルを緩め、スポークを馴染ませる、自転車に装着し確認。

これを繰り返すことでリムは、車体のセンターへと近づく。
嵌めたホイールとフレームの隙間が等距離になれば、作業は完了。

振れ取り台がなくても、この方法で十分調整はできる。
簡易的って思われるかもしれないが。
振れ取り台が買えないために編み出した苦肉の策。

くぅ〜、泣ける〜。
ビンボーはつれーや。


専用道具で行う、センターの測定方法

こんなやり方をしなくても、センターを正確に測る測定器具がある。
MINOURA のホイールセンターゲージ FCG-310だ。

測定はこうだ。

MINOURA ホイールセンターゲージ FCG-310
センターゲージとしは、一番安いんじゃない? 知らんけどwww
ちょっとチャチイけど、それなりに使える。それなり、ですけどね。

まずは、タイヤを外す。

え、マジ?と思わないで。
チューブレスタイヤのユーザには酷な話だが
このツールを使うには、タイヤを外さないと絶対できません。
もちろん、クイックリリースレバーも外す。

本体を広げて、ノブボルトを緩める。

手で済まんでいるのが、ノブボルト。
ここを緩め、ゲージ板が軽く動くようにする。

MINOURA ホイールセンターゲージ FCG-310
ケージ板についている穴「ハブ芯挿入孔」をハブの芯に挿入する。もう、そのまんま、

ホイールを地面に置き、リムガイドをリムに密着する状態で、
ハブの芯を「ハブ芯挿入孔」の中に収める。
すべてが密着したら、ノブボルトを締め、ゲージ板を固定。

MINOURA ホイールセンターゲージ FCG-310
この黒いのが「リムガイド」。そっと載せるな感覚でOK。
MINOURA ホイールセンターゲージ FCG-310
「ハブ芯挿入孔」がハブの芯に収まっている状態。ここでノブボルトを締める。

反対側のリムに当て、その差を測定

ノブボルトを固定した状態で、反対側のリムを測る。
ハブの芯を「ハブ芯挿入孔」の中に収めた時、
2つあるリムガイドすべてにリムが密着すれば、リムはセンター来ている。

もし、リムガイドすべてにリムが密着しても、
ハブ芯挿入孔がハブの芯に密着しないならば、
今測定している側のリムが、中心寄っているってこと。

ハブ芯挿入孔がハブの芯に密着しても、
リムガイドすべてにリムが密着しないなら、
今測定している側のリムが中心から離れている。
つまり、先に測った方のリムが中心寄っている。ってことになる。

FCG-310
MINOURA の FCG-310 取扱説明書より抜粋。赤枠の部分がリムガイドとリムの隙間を表しているイメージ図。あと、測る時は一点だけではなく、数箇所で測定するようにと説明書に書いてある。

とまあ、こんな感じで1mm の差ぐらいは簡単に測定できるのだが、
いかんせん、このセンターケージの華奢な造形が、測定結果を不安にさせる。
重くないし、折り畳めて便利だし、これで十分使える。
だけど、なんか今だに所有する満足感は湧き上がってこない。うむむ。

しっかし、センター出しで、こんな長文になるとは。

しかも、ニップル回す状況がなかったので、写真も撮ってない。
ヤラセでもいいから、取るべきだったかな。

次回は、タテ振れに挑戦になるけど、
今度はもう少し短文を心がけよう。こっちも挑戦?

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