念願の超音波洗浄機、導入!とにかく試してみる!!
2022 年の夏頃だったと思う。
自転車のレストア動画で、超音波洗浄機を使っているのを見た刹那、
「矢木に電流走る…! 」
錆びてボロボロになった古いパーツを、
乾麺を茹でるが如く、超音波洗浄機に放り込み、
古くて固まった油やサビが取れる様は、本当に衝撃的だった。
室内メンテを行う自分にとって、洗浄は何かと面倒になる。
どんな洗剤やケミカルを使おうと、落とした汚れが飛び散ることを常に想定せねばならず、
車体の丸洗いができないのは当たり前。
スプレー式のパーツクリナーをぶっかけるなんて以ての外。
ちゃんと養生しとかないと、床は廃油にまみれになり、
間違いなく命を落とすことになるだろう。
嫁の手によって。wwwww
コイツで、 チェーンを洗ったら…
コイツで、 ディレーラーを洗ったら…
コイツで、 ブレーキパッドを洗ったら…
あぁぁぁ、超音波洗浄機への妄想が止まらないぃぃぃ。
狂わんばかりの心の声に応えるが如く、
機能や性能を調べることはもちろん、
用途を満たす大きさとその価格を調べること半年。(時間かかりすぎ?)
ようやく我が工房に超音波洗浄機を導入する決意をしたワケだが、
正直、手元に届くまで「理想の機械」なのか、不安はあった。
そもそも超音波洗浄機って、何なのよ?
読んで字の如く「超音波で洗浄する」機械。
といってしまえばソレまでなんだが、
超音波で発生する振動を対象物に当てることで、
洗剤などの化学的な効果だけでは落ちなかった汚れを
物理的に落とすことができるというモノ。
もすこし詳しく解説するならば、
液体中に強力な超音波を照射することで、真空に近い微小の無数の泡が発生と消滅を繰り返す
キャビテーション(=空洞現象)が発生し、この衝撃が液全体に発生することにより、
微細な汚れを剥離、分散させるというのがこの仕組み。
元来、工業製品の製造現場では既に広く普及しており、
使う薬剤や周波数を変えることで洗浄効果が変わってくる。
周波数が高ければ高いほど、微細な汚れが落とせるそうな。しらんけど。
近年、小型・低価格の製品が出回ることで、
メガネや貴金属の洗浄、プラモづくりでは塗装の前処理など、
その認知度は高まっている(のかな?)が、
巷で売っている超音波洗浄機の発生する周波数帯は、
だいたい 40 kHz 相当で、大抵の機種はその周波数は変更はできない。
よって機種の価格差は、洗浄桶の大きさにそのまま比例している。
で、ボクの買ったコイツは、洗浄桶が1.3L。
加熱機能が付いて 20℃〜80℃の温度調節 が可能。
本当なら 50Tのスプロケットをザブンっと放り込める位の6Lサイズが欲しかったが、
価格に4倍近くの開きがあるので断念した。
今思えば、無理してでも買うべきだったと後悔している。
それだけ、購入に満足しているスグレモノ。
あぁ、ビンボーって、ツレーよなっ(涙)
使う洗剤は、粉末のパーツクリーナー!
で、今回用意した洗剤(というか溶剤?薬剤?)は、コイツ!
以前から愛用していた、粉末のパーツクリーナー。
使い方はチョー簡単。
1リッターのぬるま湯に対し、15 g 程の割合で溶かして、
洗浄したいモノを3時間から一晩ぐらい漬け置くだけ。
焦げ付いた油汚れだって溶かし落ちゃうっていう、ナイスなヤツ。
臭いはほぼ無く、石油由来でないから、
揮発も引火することもないし、樹脂部分へのダメージも少ない。
しかも、何度も使い回せるから経済的。(限度はあるけどね)
特筆すべきは、洗浄力が落ちたら、そのまま下水に流せる。(← って、ホントにいいのか?誰か教えて)
まさに屋内メンテに持って来いの、胸アツなシロモン。(← 何故、胸アツ? www)
だが、しかし、だ。
チェーンの洗浄をやってみたのだが、
残念ながら、大成功!とはいかなかった。
汚れたチェーンを何もせずそのまま放り込むと、
何度洗っても汚れが出てくるのだ。
3回ほど洗剤を入れ替えても汚れが収まる気配はなく、
水に変えても、汚れが出てくる始末。終わる気配が全く見えん。
これは超音波洗浄が効果が無いというコトではない。
ボクの方法では効率的でなかった、ということ。
自分が汚れたり、汗かかないからといって、
こんなに時間と手間がかかっては意味が無い。
洗剤の選定やその温度などの使い方、前処理の必要性など…
不確定な要素がありすぎて、効率的で確実な方法を
ボクが見つけ出せなかっただけ。
チェーン洗浄方法については、
確証得られたら必ず記事にするから待っててねっ。(← って、誰に云ってる?)
ブレーキパッドを超音波洗浄するっ!!
だが、このまま超音波洗浄の効果を紹介できないでは ボクの気が収まらない。
で、次に選んだ対象物は、ブレーキパッドだ。
用意したのは、Unauthorized 33rpmに装着していた
4ポッドキャリパー用のレジン製パッドと
2ポッドキャリパー用のメタル製パッドの2種 4枚。
それに、KONA HOSS Dee-luxに装着していた
2ポッドキャリパー用の レジン製パッドの 4枚。
いずれも、1年間以上洗浄していない。
まずは、パーツクリーナーで
500 cc の水にパーツクリーナー 15 g 溶かして、熱湯を 500 cc 投入して 洗浄剤を準備する。
加熱機能が付いているから、水からお湯にできないコトもないが、
いつ湯温が 50℃ ぐらいなるか分からないので、この方法で。
それでは…
スゥイッチ〜、オンッッ!
ワンッ!ツーッ !! スリーッ !!!(← スイッチ、三つも無いけどね)
うおおおおおおおおお、でるでる〜〜〜っ、汚れ出まくり〜〜〜〜っ
電流、火花が、身体を走ぃるぅ〜〜〜〜っ!(← 分かる人は、アラフィフ決定 )
ジローでなくとも、なにかにチェンジしてしまいそうな位
汚れがブワッと滲み出てくる。
で、ここまでやって、ハタっと思った。
あれっ? この洗剤でいいの? って。
粉末のパーツクリーナーって、
基本、即効性はなく、長い時間漬けて初めて効果を発揮するモノ。
じゃあ、今見ている効果は超音波洗浄の能力? クリーナーの能力?
一体どっちの能力で汚れが落ちてんの?
油分が付着していると、制動力が落ち、鳴きが発生するブレーキパッド。
手でパッド面を触ってもアウトなぐらいシビアなパーツをパーツクリーナーで洗っただけで、
ホント大丈夫? 油分の残ってない? ホント? ホントに?
疑心暗鬼に駆られ、悩むこと数分。
もう一度超音波洗浄することに。
中性洗剤で洗浄してみる
で、次に使う洗剤はコレ。
油汚れに強く、すすぎ性能を特化した中性洗剤。
含まれている界面活性剤が油分を取り除き、成分を残さないという
コイツの謳い文句をを信じて、
数滴垂らし、再度洗浄。
ええぇっ、まだ汚れが出るの〜っ ?!
どゆこと〜っ ?!
嬉しい悲鳴を上げながら、超音波当たるトコロを見つめて15分。
汚れの出具合が収まったところで、一旦取り出してみた。
明らかにパッド色まで変わってる。
完全にダストが落ちている。
油分も完全落ちているか、思わず触って確かめたくなる衝動を抑え、
濯ぎの意味で、水だけの超音波洗浄をする。
完璧だね!
初めて洗浄機を稼働した時は、「じゅいぃぃぃぃぃぃっ」って音がうっせ〜なって思ってたけど、
こんなにもキレイになることを知っちゃうと、『汚れを取る賛美歌』にすら聞こえるから不思議。
家族からは「深夜にやるなっ!」って、怒られた。
これはワタシだけの福音なのだろう、うん。
結論「これ、使えるね!」
ブレーキパッドの洗浄は想像以上に、成果があった。
ブレーキパッドって表面に油脂が残っていると
制動力が落ちるばかりか、制動時の異音の原因になる。
この異音対策については、各所様々なブログなどで、
スプレー式パーツクリーナーで洗うとか、表面をバーナーで炙るとか、
油分の除去を試みているのをいろいろと散見する。
これらに対し、「超音波洗浄機 + 界面活性剤」の方が
安全かつ確実に効果があり、しかも放り込むだけの手間いらず、とボクは思っている。
これで異音が出るならば、
ブレーキパッドが左右均等にディスクローターと接触するよう
キャリパーを正しく装着とさせること。
それと、パッドの裏側もしくは油圧ピストンに
薄くシリコングリスを塗ること。
コレで解決!!
そもそも超音波洗浄は、キャビテーションで脂成分を落とすことが目的なので
専用の界面活性剤を使うのが正しいのだろう。
しかし、専用の界面活性剤はちょっと高額なので、
使う気力というか財力も沸かなかったため、
パーツクリーナーや中性洗剤を使った訳だが、
水だけでもある程度は効果が出ることも分かった。
スプレー式パーツクリーナーぶっ掛けて、ゴシゴシ洗う。
ディグリーザー使って、ゴシゴシ洗う。
こんな汚れが飛び散るような作業を
屋内メンテでは極力したくないし、減らしたい。
こうした意味では超音波洗浄機の導入は満足を得られたし、
さらなる可能性も感じる。
部材に対しての最適な薬剤やその温度、前工程など、
研究の余地はいっぱいある。
最適な洗浄方法に関して発見があったら、また記事にしようと思う。
乞うご期待!!
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