油圧ブレーキの交換 1/3

さらば、HAYES El Camino

2006年に発売された当時、 HAYES(ヘイズ)の最上級グイレード El Camino(エルカミノ)。

指のかかり具合を調節できるリーチーアジャストに加え、
握力に応じて効き具合を調節できる
パワーアジャストダイアルを備える El Camino(エルカミノ)は、
当時のオートバイの油圧ブレーキと同じ技術を採用するという革新的なモノだった。

当時の価格は前後 5.5 万円。
今じゃ驚く金額じゃないのかもしれないが、
当時はそんな高価なブレーキがない時代。(MAGURAがあったか)
HAYES(ヘイズ)HFX-9 を使っていたボクにとっては、まさに高嶺の花。
憧れの油圧ブレーキだった。

HAYES EL CAMINO
UnAuthorized 33rpm のフレームを購入後、これに見合う新しいブレーキ欲しさに、
2008年、中古で前後1万円で購入。
今思うと、コイツ人気がなかったのか?

そんな El Camino(エルカミノ)だが、とうとう壊れた。

レバーの引き量が多くなってきた感じがしたので、
メンテも兼ねてオイル交換しようと注射器でブレーキフルードを注入した途端、
すっぽ抜ける感触と共に、キャリパーからオイルが滝のように溢れ出した。

HAYES(ヘイズ)のブレーキフルードは、グリコール系オイル。
DOT オイルとも呼ばれ、車やオートバイのブレーキでも使われており、
自転車では HOPE や SRAM が採用している。

HAYES DISK BRAKE FLUID
HAYES の DISK BRAKE FLUID。DOT 4 とうっすら読める。
横に置いていたボクもいけないが、これはグリコール系の液体が容器から染み出した結果。
これでこの有様。だから嫌なんだよ。

価格が安く、高温でも安定した動作が特徴のグリコール系だが、
一番の問題は、塗装を侵食しやすいこと。
塗装面についた際、一滴でも拭き残しがあると翌日は間違いなく塗装が剥げている。

そんな液体が、ブレーキパッドはもちろん、フレームに、スポークに、リムに、タイヤにと、
ぶっかけたかのように付着した。

絶叫し、泣き出したい気持ちを抑え、
急いで付着した箇所をウエスで拭き取り、
パーツクリーナーをこれでもかという位ぶっかけ、また拭き取る。
これを3回ほど繰り返す。

作業を終えてから判明したことだが、パーツクリーナーじゃなくても、
水でじゃぶじゃぶ洗えば大丈夫らしい。知らんがな、もう。

とはいえ、どんなに拭いても、不安感までは拭い取れない。
一度でも塗装が剥げた経験があるならなおさらだ。
写真も撮らずに、ひたすらフルードと格闘すること2時間。
確実に拭い去られたのは、El Camino への愛着だけ。

原因は、キャリパー内のオイルシールの劣化と想像はつく。
オイルシールはあれども、交換どころか、分解すらできない。
このキャリパーの分解には、専用工具 Service tool for bore cap が必要だからだ。

以前、フロントが故障した際、この専用工具を探した。
しかし、HAYES 本社でも在庫はなく、
既に国内では入手不可能。ミズタニ自転車もHAYES の取り扱いをやめている。
やっと中古が見つかってもロシアだったりと、もうメンドーになって諦めた経緯がある。

さらば、HAYES El Camino。
グリコール系の油圧ブレーキは、二度と買わん!
あ、でも HOPE はちょっと欲しいな。www


油圧ブレーキは、Shimano に限る!

Shimano Hydraulic Mineral Oil
Shimano のブレーキフルード、 Hydraulic Mineral Oil。
天下のシマノさんが「オイル」なんて名付けるから、ブレーキフルードがブレーキオイルって呼ばれるように。
間違いじゃないんだけど、わざとややこしくしてる?

さて、壊れたリアブレーキの代用品だが、
HAYES El Camino が 壊れたら、次は Shimanoと決めていた。
Shimano のフルードは、グリコール系ではなく、ミネラル系だからだ。

ミネラル系といえば、昔はMAGURAだったんだが、
Campagnolo も、TEKTRO も、ミネラル系。

ミネラル系フルード最大のメリットといえば、
塗料を傷めたり、ゴムやプラスチックなどの樹脂系のパーツにも浸食が無いこと。
しかも、水と混ざりやすいグリコール系と比べて、吸湿による劣化がない。だから買い置きができる。
水で洗い流すことこそできないが、前章での出来事のように、取り扱いに神経質なる必要もない。
いいこと尽くめじゃん。

しいて問題点を挙げるなら、お値段が高いこと。
いいよ、それ位。
塗装が剥げるし、買い置きができないグリコール系なんざ、もう用はねぇ!

15年ほど昔なら、決して選択肢には入らなかった Shimano だが、
近年の油圧ブレーキの普及に伴い、性能も信頼性も格段に向上し、
もはやボク如きでは文句のつける隙はない。

やっぱ、スゲーわ、Shimano。


BL-M8000 と BR-MT200 を組み合わせる

Shimano Deore XT BL-M8000 と BR-MT200
Shimano Deore XT BL-M8000 と BR-MT200 の組み合わせ

Kona Hoss Dee-lux のフロントブレーキレバーには、既に Deere XT、BL-M8000 が装着されている。

パッドに当たるまでの距離を調節できるフリーストロークアジャスト機構を装備した BL-M8000。
ギュッと握る位置、ソッと握る位置を調節できるから、パニックブレーキになりにくのが嬉しい。
現時点での新型は BL-M8100 になるのだが、あの青っぽいのはどうも好きになれない。
なにより、リアのレバーもBL-M8000 で合わせたい。ここは譲れない。

あとはキャリパーだ。
コンポーネントだからといって、キャリパーまで Deere XT にすると、
レバーと併せると、1万の出費。
予算が許すなら同じグレードにしたいのだが、急な出費にこの金額はちと痛い。

で、Deere XT レバーに、最下位グレードのキャリパー BR-MT200 を組み合わせることに。

既にこれは Kona Hoss Dee-lux のフロントブレーキで実証済み。
互換表をどれだけ眺めても、MTB に関しては、レバーとキャリパーの互換性に関する記載がない。
(ロードやグラベルのコンポーネントはあるけど)
「絶対に大丈夫」とは言い切れないが、
装着から6ヶ月経っているが、今のとこ問題なく動作している。

BR-MT200の問題は、フィン付きパッドやメタルパッドが使えないこと。
ハードなダウンヒルといった過酷な状況を試した訳ではないので、不安がないと言えば嘘になる。
しかし、タウンユースなら問題なく確実に制動するし、
なんたって Shimano 製。中華ブレーキよりは絶対的な安心感はある。

つっても、メーカーが明確に推奨している組み合わせじゃないので、
真似される方は、あくまで自己責任ということで。


ホースはどうする?

ホースの型番

Shimano のホースは、硬さと両端の規格で分類されており、型番から読み取れる。

ホースの剛性には2種類ある。
剛性が「高」く、ダイレクトな操作感が得られる SM-BH90
剛性が「スタンダード」でソフトな操作感になる SM-BH59

硬さの表記に加え、ホース端の形状が末尾に書かれている。
「ストレート」ボルト用なら「S」、
「バンジョー」ボルト用なら「B」。
レバーとの接続はストレートボルトしか存在しないため、
両端がストレートなら SS、片端がストレートでもう一方がバンジョーなら SBといった具合だ。

あとは、バンジョーボルトの長さや形状を表す型番が付随するのだが、
キャリパーとの接続が、ストレートなのか、バンジョーなのかを確認しておけば
間違った形状のホースを買うことはないはず。

間違った経験があるボクがいってるから間違いない。ってなんだそれ。

ホースの選択

BR-MT200 に関して、Shimano の互換表では SM-BH59-SS を推奨している。

つまり、両端がストレートで、ソフトな操作感になるということだが、
SM-BH90-SS ではダメなのかって疑問が湧いてくる。

結論から言うと、装着は可能。
ただし、ロックしやすい「カックンブレーキ」になるだけのこと。
これはボクが実証済み。

上級グレードのキャリパーはすべて SM-BH90 を推奨している。
推察するに、上級グレードのキャリパーピストンは、
レバーの動きに対し、繊細に反応できる精度があると言うことではないだろうか。

メーカー推奨以外は絶対ダメ!という意見もあるだろうが、
オートバイの世界では、ブレーキホースを剛性の高いメッシュホースに変更するのは一般的。
自転車のキャリパーだって同じじゃないのってのが、ボクの持論。
異論があったら、メールください。

カックンブレーキ上等!
どうせリアだし、自分のだし。

これで、準備は整った!
次回、組み立て編。さて。