アルマイトを剥離する

Canondale R800 のクランクが走行中に脱落!
KONA のグラベルバイク化ばかりに注力しすぎて、
たまには乗ってやらんなんと Canondale R800 で近所のコンビニへ。
その帰り道に、事件は起きた。
なんか左ペダルがグラグラするなっと思った瞬間、
「チョリーン」と音とともに何かが脱落、クランクが外れかける。
完全に脱落こそしなかったが、クランクまで外れだすなんて、完全な異常事態。
落ちたのはクランクボルト。
とにかくボルトを拾って、自転車を押して帰るハメに。
家に帰って、ビックリ。
ここまで酷いとは。


組み方が甘かったのは間違いないと思うが、
どこに原因があったのかさっぱりわからない。
ん〜、なんか釈然としない。
さらば、FSA GOSSAMER ! 二度と買うもんか!
Canondale R800 を購入して間も無く装着した FSA GOSSAMER。
購入当時、コンパクトクランクが注目されはじめたとはいえ、
完成車に搭載されたモデルはまだ珍しかった時代。
Shimano はまだコンパクトクランクを市場に投入していなかったため、
コンパクトクランクを導入するには、FSA 一択だったような覚えがある。
BBはMegaExo。
ISIS からの交換となり、最先端を装着した姿に
なんか未来を手に入れたかのごとく舞い上がったモンである。
これが FSA の独自規格だなんて知るのは数年後の話。
BBの軸径コンマ数ミリ小さく Shimanoクランクが入らないとか、
ウェーブワッシャが必要とか、しかもすぐ錆びるとか、
軸長調整にワッシャをかますと、回転が渋くなるとか、
クランク固定ボルトが固定しきれていないとか、
なによりも、FSA 同士であっても、
クランクアームの厚みが各モデルで異なるため、
専用品を探さないといけない面倒臭さ。
整備性の悪さは上げたらキリがない。

いろいろ問題はあれどなんとか対応してきた。
しかし、もう我慢の限界。
未練も何もありぁしません。直す気持ちは微塵もない。
さらば、GOSSAMER !
もう二度と FSA のクランクなんか買うもんか!
中華クランクとスクエアテーパーBB をヤフオクで買う
いつかはクランクを交換したいと思っていたが、
いきなり、というのは準備がないから、心も財布も余裕がない。
Canondale R800 が動かなくても困りはしないが、放っておくのも忍びない。
つっても新品のクランクを買う余裕はないので、ヤフオクを物色することに。
しっかし、最近のヤフオクって、お値頃感が全くない。
落札価格に送料足すと、新品と変わらん値段になる。自転車パーツだけこうなのか?
なら、人気のない商品を買うしかない、ってことで
競争価格になることなく、落札したのがコイツ。

このビミョーな青さって、どうよ。だれが喜ぶんだ? このセンスは僕にはわからん。
ProWheel Ounce とRPM BB-7420 のセットだ。
ProWheelは中華製、RPM は FSA の低価格ブランド、
いずれもセットで、GIANTなどの完成車によく付いているシロモノである。
重さも性能も期待するものは何も無い。
はっきり言ってダウングレードになるのだが、
スクエアテーパーのBBってのが興味をそそった。
スクエアテーパーの BB って、
激安自転車といえばもうスクエアテーパーの BB というくらい普及はしている。
僕の知る限り 40 年近く前の規格(だったと思う)が今だに存在しているってこと。
ISISや、オクタリンクは消滅しても、
Shimano でさえ今もなお製品ラインナップから外さずリリースを続けている。
とはいえ、進化の兆しは見えてこない。
Token のセラミックベアリングにチタンシャフトが進化の最終系?
ともあれ、今後も死滅しない定番であり、普遍である、と僕は思ってる。
な〜んて、カッコよく言ってはみたが、
本当は、クランクを Sugino とか、White Industry とかに変えてみたいし、
BB も、Tange、Token、RCE なんかにもしてみたい。
なんかもう、夢、膨らむよなぁ。うっとり。
ただね、落札したこの商品、唯一不満なのがこの中途半端な青色。
ほとんど未使用のようで、傷もなく綺麗だったんだけど、
ボクの Canondale R800 には似合わない。
これは剥がすっ。決めたっ。
アルマイトを剥離するには、パイプ用洗浄剤
アルマイト処理とは、
ざっくり言えば、アルミに通電させて酸化皮膜を形成させることで、
耐腐食性や耐摩耗性を向上させる処理の事。
だから、塗装ではなく、処理である。
で、これを剥離させる方法として、サンドブラストなどの物理処理以外となると、
専門業社は苛性ソーダ、すなわち水酸化ナトリウムを使う。
ただ、水酸化ナトリウムは劇薬ゆえ、入手が困難。
昔は薬局で売ってたのだが、チェーン展開のドラッグストアでは在庫すらない場合が多い。
例え売っていたとしても、身分証、使用目的の提示が必要だし、
使い終わった廃液は、勝手に廃棄はできないシロモノ。
水酸化ナトリウム。やべーな、おまえ。
で、使うのはコイツ。

アルマイトの剥離でググったら、必ず出てくるこのパイプ洗浄剤。
この商品でなくともパイプ洗浄剤には、大抵、水酸化ナトリウムが1%含まれている。
たった1%で剥離できるってんだから、使わない手はない。
他にも水酸化ナトリウム溶液はあるけれど、
コイツより安いモノはない。なんたって1リットル198円。www
パイプ用洗浄剤にパーツを漬け込むこと1時間
剥離、開始!
クランク到着と同時に、パイプ洗浄剤に漬け込む。
漬ける際は、必ず屋外で。
とんでもねー臭い出すし、液体は発熱するし、覗き込めば目も痛くなる。
ヤベーよ、水酸化ナトリウム。

漬けること1時間。
液が真っ黒となり、透明度がないから状態が見えない。
ゴム手袋をして、クランクを取り出すことに。

こういう作業は手袋しないとマジヤバい。
塩素系の薬品って、皮膚溶かすからね。
直に触った時に感じるヌメりって、あれは手が溶けてるって意味だから。ひぃぃ。
手袋ごしに伝わる液の温かさ。
まさに化学反応を体感しながら、クランクを見てみる。
元の青い色味はなくなり、表面は黒ズミで覆われている。
かるく擦っただけで黒ズミは除かれ、アルミの地肌が顕になる。
バッチリやん!
液を下水に流し、クランクは、スポンジたわしで擦りながら
しっかり水洗いしたのがコレ。


表面に若干の傷が見て取れる。
アルマイト処理とは、アルミニウムを電解質液の中で通電することにより、
強い酸化皮膜を形成させるコーティング技術のこと。
酸化皮膜を定着させるために、表面に細かい傷をつけることをケガキというのだが、
剥離した姿は、ケガキというにはちょっと表面が粗い気がする。
そもそもアルマイト処理で腐食したのか
剥離前には全く見て取れなかったのが、こうして顕になると、
アルマイトの皮膜って結構厚いんだね。
耐水ペーパーとコンパウンドで磨けっ! 只ひたすら磨けっ!
このままで装着ってのもなんだか心もとないので、
少しでもカッコ良くなるよう研磨する。
一度、400番の耐水ペーパーで磨く。
深い傷があることが分かったので、番手を 240番に落とし磨き直す。
そこから、320番、400番、600番、800番と、番手を上げていく。
時間にして1時間ほど。
地道な作業と思われるかもしれないが、
そんなに力入れなくていいから、疲れるってワケでもない。

光の角度でヘアラインが残っているのがわかる。ゴールは目前
一心不乱に磨くという、この単純な作業は、世俗の雑念を追い払い、無我の境地へと誘う。
夢中で磨けば心に平穏?
只管打坐ならぬ只管打磨?
新しい禅宗の一派「研磨教」。ありかも。
与太話はさておき、
ヘアラインが残ったままってのも芳しくなので、
1000番と番手を上げていく。
ここまで大きな傷が見えなくなったので、
番手を上げずに、コンパウンドで仕上げに入ることにする。

もう少し低い番手から順にコイツへと移行できればよかったのだが、
生憎コイツしかなかったので、そのままコイツで磨くこと20分程。
もう一心不乱に、只々磨く。
この時点で、やらねばならぬ本業どころか、家族の顔すら忘れてる。

まだ若干傷が残っているが、もう十分だろ。どうせまた傷つくんだしwww
うっわっっ、
顔が写り込むぅぅ。
鏡面仕上げにするつもりはなかったのだが、
やればやるほど効果が出てくるので歯止めが効かない。
バフがけまでせねば、という気にすらなってくる。
恐るべし、研磨教。
磨けば誰でも誰でも即入信。www
後ろ髪引かれつつも、作業はここで終わり。
アルミ素材は柔らかいから、すぐに傷が入る。
ウレタンクリアなどで塗装するとか表面処理も考えたけど、当分はコレでいく。
汚れたらコンパウンドで磨けばいいだけさ。
仏具の掃除と同じ。
研磨教の我がご本尊はクランクってことで www
チェーンリンクを付け直したし、あとはBBの装着になるのだが、
コレはまた別途記事にしようと思う。
今回の製作費(税込)
- ProWheel Ounce とRPM BB-7420 のセット —–—- ¥3,000
ヤフオクでの落札価格。 - コメリオリジナル「パイプ用洗浄剤」 —–—–—–—- ¥198
今回使用した工具
- スポンジたわし —–—- 新品じゃなくても十分。ただし使ったら捨てること!
- 耐水ペーパー
320番、400番、600番、800番、1000番 —–—––—- 各¥100ぐらい? - ホルツ 液体コンパウンド 超極細 —–—––—- もう少し粗めでも、ピカールでもOK。

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